2026年7月8日、東京ドーム。
阪神ファンにとって、また一つ忘れられない夜になりました。
阪神・才木浩人が巨人戦に先発し、7回5安打無失点の快投。
チームは巨人に4−1で勝利し、再び巨人と同率首位に浮上しました。しかも才木は、これで巨人戦10連勝。
すべて先発勝利での対巨人10連勝は史上初だそうです。
いや、すごすぎますよねー。
巨人戦で勝つだけでも嬉しい。
でも、首位攻防戦で才木が巨人を止めて、阪神を同率首位に引き戻す。
これはもう、トラ党の心に刺さりすぎる1勝です。
なぜ才木浩人は、ここまで巨人に強いのか。
たまたまなのか。
相性なのか。
それとも、巨人打線が嫌がる“理由”があるのか。
この記事では、才木浩人の巨人戦10連勝の理由を、
- 189cmの長身
- ストレートとフォークの高低差
- 今年の奪三振力
- 配球の変化
- トミー・ジョン手術からの復活
- トラ技師目線で見た身体操作
という観点から、阪神ファン目線でわかりやすく解説していきます。
なお、この記事は医療的な診断を行うものではありません。トミー・ジョン手術や投球フォームについては、報道や公開情報をもとにした一般的な解説としてお読みください。
才木が巨人に強い理由は「高さ・落差・配球・メンタル」の掛け算
最初に結論から言います。
才木浩人が巨人に強い理由は、1つではありません。
個人的には、
- 189cmの長身から投げ下ろす角度
- 高めに強く見えるストレート
- 低めに落ちるフォーク
- 今年さらに目立つ奪三振力
- “力で押す”だけではない配球の幅
- 巨人戦で積み重ねてきた成功体験
- 首位攻防戦でも崩れないメンタル
この掛け算だと思っています。
才木は阪神の公式プロフィールで189cm/90kg、右投右打の投手と紹介されているんですが、
この「高さ」が、まず大きい。
同じ150キロ前後のストレートでも、低い位置から来る球と、189cmの長身から角度をつけて来る球では、打者の見え方が違います。
そこにフォークが落ちる。
さらに今年は、奪三振数の多さも目立つ。
NPB公式成績では、2026年7月7日時点で才木は14登板、82回1/3で105奪三振。前年2025年は157回で122奪三振だったので、今年はかなり三振を奪う力が前面に出ています。
去年は最優秀防御率の投手。
今年は奪三振でも存在感を出している投手。
この進化が、今の才木の怖さです。
巨人戦10連勝はどれくらいすごいのか?
まず、この記録のすごさを確認しておきたいです。
才木は2026年7月8日の巨人戦で、7回5安打無失点の好投。
これで巨人戦10連勝となりました。
日刊スポーツのデータ記事では、巨人戦での2桁連勝は5人目であり、先発勝利だけでの10連勝は初めてと報じられています。
これは、ただの「相性が良い」では片づけられません。
リリーフで勝ちがついたわけではなく、先発として何度も巨人打線と向き合い、試合を作り、勝ち切ってきたということです。
しかも今回は、首位攻防戦。
阪神は巨人に4−1で勝利し、再び同率首位に浮上しました。才木が7回5安打無失点で6勝目を挙げ、阪神が巨人と同率首位に並びました。
巨人戦で勝つ。
首位攻防戦で勝つ。
才木で勝つ。
この3つが重なったからこそ、今回の1勝はめちゃめちゃ嬉しかったです。
理由①|189cmの高さから投げ下ろすストレートが巨人打線に刺さる
才木の最大の武器の一つは、やはりストレートです。
ただ速いだけではありません。
角度があるんです。
189cmの長身から投げ下ろすボールは、打者からすると上から来るように見えます。
初心者向けに言うと、
同じ球速でも、ボールの出どころが高い投手の球は、打者にとって見え方が変わる
ということです。
野球中継では「角度がある」とよく言いますが、これはかなり大事です。
打者は、ボールを見てからゆっくり判断しているわけではありません。
投手のフォーム、腕の振り、リリースの位置、ボールの軌道を一瞬で判断して、バットを出します。
才木のように高い位置から強いストレートが来ると、打者はどうしても目線が上がります。
そして、その後にフォークが落ちる。
これがかなり厄介です。
ストレートで目線を上げられ、フォークで下に外される。
打者からすると、上下の幅が大きい。
これが才木の強さです。
理由②|フォークが“空振り”だけでなく“迷わせる球”になっている
才木といえば、ストレートだけでなくフォークも大きな武器ですよね。
フォークは、空振りを取る球というイメージが強いと思います。
もちろんそれもあります。
でも、才木のフォークの怖さは、空振りだけではありません。
打者に、
「落ちるかもしれない」
と思わせること自体が武器になります。
たとえば、ストレートが来ると思っているところにフォークが落ちる。
フォークを意識しているところにストレートが来る。
この迷いが出た時点で、打者はかなり苦しい。
才木のフォークは、
- 空振りを取る
- ゴロを打たせる
- 打者の目線を下げる
- ストレートを速く見せる
- カウント球にも決め球にもなる
という複数の役割を持っています。
今年の才木は奪三振数が非常に多いですが、それは単に「球が速いから」だけではなく、ストレートとフォークの見え方が近く、打者が最後まで迷わされているからだと思います。これも才木の長身があってこそでしょう。
NPB公式成績では、2026年7月7日時点で才木は82回1/3を投げて105奪三振。奪三振率にすると、かなり高いペースです。
去年は防御率1.55でセ・リーグ最優秀防御率を獲得した投手。
つまり、去年は「点を取られない才木」。
今年は「三振を奪う才木」。
去年と今年の才木がフュージョンしたのが、才木の完成系ではないでしょうか。
理由③|才木は“力で押す”だけではない
今回(2026/7/8)の巨人戦で特に面白かったのは、巨人側の見方です。
巨人の橋上秀樹監督代行は、才木について「変化球も多め」「配球面では今までと違った感じ」「うまくかわされた感じ」と試合後に分析しています。
ここ、かなり大事です。
才木というと、
- 強いストレート
- 落ちるフォーク
- 力で押す
- 三振を取る
というイメージがあります。
でもこの日の才木は、ただ力でねじ伏せたわけではなかった。
巨人打線が持っていた「才木像」を少し外した。
これが大きかったのではないかと思います。
相手がストレートとフォークを中心に待っているなら、別の変化球を増やす。
早打ちしてくるなら、少しずらす。
強く振ってくるなら、芯を外す。
才木はパワーピッチャーでありながら、今回のように“かわす投球”もできる。
これはかなり大きな進化です。
力で押せる投手が、配球でも外せるようになる。
そうなると、打者はさらに絞れなくなります。
理由④|巨人戦での成功体験が、見えない圧になっている
10連勝という数字は、投手側だけの自信ではありません。
打者側にも影響します。
同じ投手に何度も抑えられると、どうしても打席の中で意識が生まれます。
- また才木か
- 早めに仕掛けないといけない
- フォークは振りたくない
- でもストレートには差し込まれる
- ランナーを出しても点が入らない
こうなると、打者は迷います。
そして野球では、この迷いがかなり大きい。
才木自身が巨人に強いだけでなく、巨人打線の中に「才木は嫌だ」という空気が生まれている可能性があります。
もちろん、プロなので巨人側も必ず対策してきます。
それでも10連勝まで積み上げたという事実は、かなり大きな心理的圧になります。
才木はもう、ただの“巨人に相性が良い投手”ではありません。
巨人打線が嫌がる投手になっている。
そう見ていいと思います。
トミー・ジョン手術からの復活|才木浩人の物語は“ここから”が熱い
才木を語るうえで、絶対に外せないのがトミー・ジョン手術からの復活ですよね。
NPBのコラムでは、才木が2020年11月にトミー・ジョン手術を受け、育成選手として契約したこと、そのリハビリ期間に体の作りや投球フォーム、メカニックについて学んだことが紹介されています。2022年5月に支配下へ戻り、同年4勝、2023年は8勝、防御率1.82で阪神の日本一にも貢献しました。
これがすごいんです。
一度、投げられない時間があった。
育成契約も経験した。
そこから身体を作り直し、フォームを学び直し、阪神のエースになって戻ってきた。
今の才木の強さには、単なる才能だけではなく、投げられなかった時間に積み上げたものが詰まっているように感じます。
これは高橋遥人も同様です。
トミー・ジョン手術は、一般的には肘の内側側副靱帯を再建する手術として知られています。
ただし、手術をすれば必ず元通りになるわけではありません。
長いリハビリ、フォームの再構築、筋力や可動域の回復、投球感覚の取り戻し。
そういった積み重ねが必要になります。
才木が今、巨人相手に堂々と投げ込んでいる姿を見ると、単なる「Gキラー」ではなく、
一度マウンドから遠ざかった投手が、もう一度自分の身体と向き合い、強くなって帰ってきた
という物語まで見えてきます。
ここが才木の魅力です。
トラ技師目線|才木の強さは“縦の身体操作”にある
ここからは、トラ技師の放射線技師としての目線で少しだけ身体の使い方を見ていきます。
繰り返しますが、これは医学的な診断ではありません。
あくまで投球フォームを見た一般的な運動学的解説です。
才木の投球で印象的なのは、縦の強さです。
長身投手は、角度を作れる一方で、身体が大きいぶんフォームがバラつきやすい面もあります。
上半身だけで投げると、リリースが安定しにくくなります。
でも才木は、下半身から体幹、肩、肘、手首へと力を伝えていく流れがかなり良い。
初心者向けに言うなら、
足で作った力を、体の中心を通して、腕からボールに伝える投げ方
です。
そしてフォークを投げる時も、腕の振りが緩みにくい。
ここが大事です。
フォークは、腕の振りが緩むと打者にバレます。
でもストレートと同じような腕の振りで来るから、打者は最後まで迷う。
「ストレートだ」と思ったら落ちる。
「フォークかも」と思ったら差し込まれる。
これが才木のストレートとフォークの怖さです。
今年の才木は“奪三振型エース”へ進化している
去年の才木は、最優秀防御率の投手でした。
防御率1.55。
これはもう、堂々たるタイトルです。
一方で、今年の才木は奪三振のインパクトがかなり強い。
2026年7月7日時点で105奪三振。すでに前年の122奪三振にかなり近いところまで来ています。
もちろん、シーズンはまだ途中です。
ただ、今年の才木は「打たせて取る」だけではなく、三振で流れを切れる投手になっています。
三振が取れる投手は、ピンチで強い。
なぜなら、インプレーにさせずにアウトを取れるからです。
ランナー二塁。
一打同点。
こういう場面で三振が取れると、守備に依存せずにピンチを断ち切れます。
今回の巨人戦でも、得点圏に走者を背負いながら何度も無失点で切り抜けました。
これがエースの仕事です。
去年は点を取られない。
今年は三振でねじ伏せる。
才木浩人は、さらに一段階上の投手になろうとしているのかもしれません。
トラ技師が好きな投手ツートップ|才木浩人と髙橋遥人という左右のロマン
ここは完全に個人的な話です。
私が阪神で特に好きな投手を2人挙げるなら、やっぱり才木浩人と髙橋遥人です。
右の才木。
左の髙橋。
この左右の腕は、阪神ファンにとってロマンがありすぎる。
才木は、長身から投げ下ろすストレートとフォーク。
髙橋遥人は、独特の腕の振りから来るキレと、打者が差し込まれるストレート。
タイプは違います。
でも共通しているのはトミージョン手術だけではありません。
投げているボールに“夢”がある
ということです。
しかも2人とも、インタビューがまた独特で良いんですよね。
才木は、どこか飄々としている。おちゃらけキャラ?笑
すごいことをやっているのに、コメントが自然体。
今回の巨人戦10連勝の偉業についても、「たまたまでーす」と。
この感じが、才木らしい。
髙橋遥人のインタビューは見ていてハラハラしますよね?
独特の間というか、言葉の選び方があって、見ていてつい応援したくなる投手です。
2人とも、ただ成績が良いから好きなのではありません。
ケガや手術を乗り越えて、またマウンドに戻ってきた背景がある。
そして、戻ってきた先で、ファンに夢を見せてくれる。
右の才木。
左の髙橋。
この2人が揃って投げる阪神のローテーションは、個人的には本当にたまらないです。
村上と共に3本柱。
いや、大竹も合わせて4本柱になってほしいです。
今後も才木は巨人キラーでいられるのか?
では、才木は今後も巨人キラーでいられるのでしょうか。
トラ技師の結論としては、
強みは本物。ただし巨人も必ず対策してくる。
です。
10連勝まで来れば、巨人側もさらに研究してきます。
首位を争う伝統的ライバルなので尚更です。
- 初球から積極的に打つ
- 高めのストレートを捨てる
- フォークを見極める
- 球数を投げさせる
- 右打者と左打者で狙い球を変える
- 早めにゾーンを絞る
こういう対策は当然してくるはずです。
だからこそ、才木も変化し続ける必要があります。
今回のように、変化球を多めに使ったり、配球の印象を変えたりできるなら、今後も巨人打線に対して優位に立てる可能性はあります。
才木は、力で押せる。
フォークで落とせる。
三振も取れる。
そして、配球でも外せる。
ここまで来ると、相手からすればかなり厄介です。
「才木は巨人に強い」
ではなく、
「巨人が才木を嫌がっている」
という段階に入っているのかもしれません。
まとめ|才木浩人は“巨人に強い投手”から“巨人が嫌がる投手”になった
2026年7月8日。
才木浩人は、東京ドームで巨人を7回無失点に抑え、阪神を同率首位に引き戻しました。
そして、巨人戦10連勝。
しかも、すべて先発勝利での10連勝は史上初という歴史的な記録です。
なぜ才木は巨人に強いのか。
その理由は、単純な相性だけではありません。
189cmの高さ。
角度あるストレート。
落差のあるフォーク。
今年目立つ奪三振力。
力だけではない配球の変化。
巨人戦で積み重ねた成功体験。
そして、トミー・ジョン手術を乗り越え、自分の身体と向き合ってきた時間。
それらが全部合わさって、今の才木浩人があります。
去年は最優秀防御率。
今年は奪三振でも存在感。
そして巨人戦では、まさにGキラー。
才木浩人は、ただ巨人に強い投手ではありません。
巨人打線が分かっていても攻略しきれない、巨人が嫌がる投手になっています。
トラ技師としては、才木と髙橋遥人の左右腕が大好きです。
2人とも投げるボールに夢がある。
そして、インタビューまで独特でクセになる。
阪神ファンとして、こんな投手たちを応援できるのは本当に幸せです。
才木浩人の巨人戦10連勝。
これは単なる記録ではなく、復活と進化の証です。
そしてこの1勝が、阪神を再び首位の景色へ引き戻しました。
才木、ほんまに頼もしすぎる。
次の巨人戦も、また期待してしまいます!

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