2026年ドラフト会議 トラ技師のイチオシ候補|米沢友翔
2026年ドラフトには、150km/hを超える大学生投手が何人もいます。
そんな中、最速149km/hながらドラフト1位候補まで評価を上げた左腕がいます。
関西大学の米沢友翔投手です。
2026年春の関西学生野球リーグでは、55回で67奪三振、防御率1.31。
全日本大学野球選手権でも25回26奪三振、防御率0.72と好投し、関大を54年ぶりの日本一へ導いて最高殊勲選手賞を獲得しました。
でも、ちょっと不思議じゃないですか?
最速149km/h。
今の大学野球では、決して飛び抜けた球速ではありません。
それなのに春は奪三振率11.0。
なぜ、米沢のボールはこんなに三振が取れるのか。
そして阪神にとって、ドラ1を使うほど欲しい投手なのか。
今回は「トラ技師のイチオシ候補」として、米沢友翔をじっくり深掘りします。
30秒でわかる米沢友翔のドラフトカルテ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 米沢友翔(よねざわ・ゆうと) |
| 生年月日 | 2004年6月1日 |
| 年齢 | 22歳 |
| 出身 | 石川県珠洲市 |
| 所属 | 関西大学4年 |
| 経歴 | 金沢高→関西大 |
| ポジション | 投手 |
| 投打 | 左投左打 |
| 身長・体重 | 180cm・80kg |
| 最速 | 149km/h |
| 主な球種 | スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット |
| 2026年春 | 4勝1敗、55回67奪三振、防御率1.31 |
| 大学選手権 | 3勝、25回26奪三振、防御率0.72 |
| 主な実績 | 大学日本一・最高殊勲選手賞・大学日本代表 |
| 現役選手タイプ | 金丸夢斗 |
| 阪神との相性 | ★★★★☆~★★★★★ |
| トラ技師評価 | 即戦力左腕としてドラ1候補。ただし1位なら渡部海をわずかに優先 |
侍ジャパン大学代表の公式登録も180cm・80kg、左投左打です。
米沢友翔はどんな投手?能登から大学日本一のエースへ
米沢は石川県珠洲市出身。
小学2年から野球を始め、珠洲市立緑丘中の軟式野球部で本格的に投手へ転向しました。
金沢高校では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。ただし甲子園出場経験はありません。
関大では1年秋からリーグ戦に登板しましたが、大学2年夏から3年夏ごろまでは肩や肘の痛みで思うように投げられない時期もありました。
その後、トレーニングだけでなく身体の使い方やフォームも見直し、4年春に一気にブレーク。
ここで大切なのは、報道されている「肩・肘の痛み」という事実以上に、故障部位や状態をこちらで推測しないこと。
ただ、大学生活の前半を順風満帆に進んできた投手ではないということは、米沢の成長を見るうえで重要だと思います。
2026年春に大ブレーク|55回67奪三振、防御率1.31
米沢の評価を一気に変えたのが2026年春でした。
関西学生野球リーグで、
8試合すべてに先発
4勝1敗
55回
35被安打
67奪三振
8四球
防御率1.31
WHIP 0.78
という圧巻の成績。
奪三振率は11.0、K/BBは8.4です。
「三振が取れる」だけなら、まだ分かります。
僕が特に惹かれるのは、
67個三振を取って、四球はわずか8個。
ここなんですよね。
三振を狙って球数が増えるタイプではなく、ストライクゾーンで勝負しながら空振りまで取れている。
プロの先発を考えるうえで、かなり魅力的な数字です。
関学戦では9回1安打13奪三振、無四死球
4月11日の関学大戦では、打者27人に対して9回1安打13奪三振、無四死球で完封。
許した走者は安打の1人だけ。
しかも9回には自己最速タイの149km/hを計測しました。
さらに春の優勝を決めた京大戦では、7回4安打無失点、15奪三振。
春季リーグの最優秀選手賞にも選ばれています。
全国大会でも通用|関大を54年ぶりの日本一へ
春リーグだけの好調ではありませんでした。
全日本大学野球選手権では4試合に先発し、
3勝0敗
25回
14被安打
26奪三振
5四球
防御率0.72
WHIP 0.76
という成績。
初戦の北海学園大戦では8回3安打無失点、10奪三振。
決勝の慶應義塾大戦でも、前日の準決勝から連投となる中で5回2安打無失点に抑えました。
関大は慶大を2-1で破り、1972年以来54年ぶり3度目の大学日本一。
米沢は大会の最高殊勲選手賞に選ばれました。
その後は侍ジャパン大学日本代表にも選出。
2026年は、
春季リーグ優勝 → 全国制覇 → 大学日本代表
と、一気にドラフト1位候補まで駆け上がったシーズンになりました。
なぜ149km/hで三振が取れる?米沢友翔の3つの強み
強み①|球速表示以上に“打者が差し込まれる”ストレート
最速149km/h。
数字だけなら、鈴木泰成や宮原廉ら150km/h台を投げる大学生右腕ほど派手ではありません。
でも、実際には米沢のストレートで打者が空振りする。
春の準完全試合を視察したスカウトからも、直球の質や制球力、投球のうまさが評価されています。大学選手権でも阪神・岡本スカウトは「ストレートが走っていた」という趣旨で高く評価しています。
球速計の数字=打者が感じる速さ
ではありません。
打者がボールを認識するタイミング、軌道、リリース、フォームとの兼ね合いなどでも、ストレートの打ちにくさは変わります。
米沢はまさに、
「149km/hだから打てそう」では語れない左腕
だと思います。
強み②|67奪三振に対して8四球という制球力
春のK/BBは8.4。
三振と四球のバランスが非常に優秀です。
左腕で三振が取れる投手というだけなら他にもいます。
でも、
「空振りを取れるのに、四球で自滅しない」
となると価値は一気に上がります。
先発投手は、毎回ベストボールが投げられるわけではありません。
球数を抑えながらストライクゾーンで勝負できる能力は、プロでもローテーションを守るための大きな武器になります。
強み③|4球種を使えるから直球がさらに生きる
米沢はストレートだけでなく、
スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット
を使います。
関学大戦の13奪三振では本人も、スライダーを多く使いながら、決め球のスプリットが良かったと振り返っています。
直球一本で押し切るのではなく、
速球を意識させて変化球。
変化球を見せて再び直球。
この組み合わせがあるからこそ、149km/hでも空振りが取れる。
投球全体で打者を崩せることが米沢の大きな強みです。
トラ技師POINT|「球速」と「打ちにくさ」は同じではない
ここは放射線技師というより、身体の動きを見るトラ技師目線で注目したいところ。
投球は、腕だけでボールを投げているわけではありません。
下肢で作った力を、
骨盤 → 体幹 → 肩 → 肘 → 手
へ伝える運動連鎖でボールを投げます。
重要なのは、ただ大きく身体を動かすことではなく、同じ動作を繰り返せること。
米沢は2026年春、55回で四球8。
フォームの再現性やリリースの安定が、ストライクゾーンへ投げ込める制球にもつながっている可能性は考えられます。
ただし、ここから「だから肩・肘を故障しにくい」といった医学的な判断はできません。
また、ストレートの回転数などの公式データがない以上、
「回転数が多いから伸びる」
と断定することもしません。
数字として確認できるのは、149km/hでも実際に多くの空振りと三振を奪っていること。
そこを素直に評価したいです。
秋は春ほど三振が取れていない|ここは気になる
一方、ドラ1候補だからと良い部分だけ書くつもりはありません。
2026年秋のリーグ戦は、10月12日の最終登板までで、
7試合
6先発
1勝1敗
33回1/3
34被安打
21奪三振
8四球
防御率2.97
WHIP1.26
でした。
特に注目したいのが奪三振率。
春:11.0
秋:5.7
と大きく下がっています。
秋はコンディション不良もあり、春ほど状態が上がらない時期がありました。8月には大学日本代表の壮行試合もコンディション不良で辞退しています。
ただ、ドラフト直前には復調傾向も見せています。
10月11日の立命大戦では8回1/3を130球、4失点ながら自責1。初回から147km/hを記録し、翌12日には前日の130球から志願して救援登板し、1回を三者凡退で締めました。
だから秋の成績を見て、
「春だけだった」
と切ってしまうのも違うと思います。
むしろプロ側が見たいのは、
春の圧倒的なストレートと奪三振能力を、年間を通してどこまで再現できるか。
ここでしょう。
プロの評価も高い|阪神は7人態勢で視察
阪神との接点もかなりあります。
6月の全日本大学野球選手権初戦では、阪神が畑山統括スカウトら7人態勢で視察。
岡本スカウトは、リーグ戦から全国大会でも好投を続けていることや、ストレートの走りを評価しました。
さらに10月時点では、
NPB12球団から調査書が届き、阪神など複数球団と面談済み
と報じられています。
もちろん、
阪神が視察した、面談した=指名が決まった
という意味ではありません。
ただ、阪神が春から継続して評価しているドラフト上位候補の一人と考える材料は十分にあります。
現役選手タイプは金丸夢斗|でも「金丸2世」で終わらせたくない
これまでトラ技師ブログでは、米沢の現役選手タイプを金丸夢斗としてきました。
ここは今回も変えません。
同じ関西大学の左腕。
背番号も同じ21。
空振りを取れるストレート、制球、複数球種を使って先発としてゲームを作る。
しかも金丸は米沢の2学年先輩で、練習メニューなどについて助言をもらったことも明かされています。
ただし、
「金丸2世=同じ投手」ではありません。
米沢自身の特徴を磨き、プロでどういう左腕になるのか。
むしろそこが楽しみです。
阪神との相性は?「左だから欲しい」ではない
阪神にはすでに左の先発投手がいます。
だから、
「左腕が足りないから米沢を取ろう」
という単純な話ではありません。
僕が阪神に米沢を欲しい理由は、
三振が取れる。
四球が少ない。
先発としてゲームを作れる。
大学生なので比較的早い段階から一軍争いを期待できる。
この4点です。
織田翔希が3~5年後のエース候補だとすれば、
米沢は1~2年目からローテーション争いへ入ってほしい投手。
同じドラ1候補でも、獲得する意味は全く違います。
関西大学は阪神OBの村山実、岩田稔らを輩出している大学でもあり、「関大の左腕が阪神へ」というのも虎党としてはちょっと想像したくなります。
トラ技師ならドラ1はどうする?米沢も欲しい。でも渡部をわずかに優先
では、阪神が米沢をドラ1で指名するのはアリなのか。
僕は十分アリだと思います。
春55回67奪三振。
全国大会25回26奪三振、防御率0.72。
大学日本一の最高殊勲選手。
大学日本代表。
そして12球団から調査書。
ドラフト1位候補と呼ばれるだけの実績は十分です。
ただし、これまでブログで書いてきた結論は変えません。
トラ技師なら、1位を一人だけ選ぶなら現時点では渡部海をわずかに優先します。
理由は米沢の評価が低いからではなく、捕手というポジションの希少性。
次世代の正捕手候補になれる大学代表クラスの捕手は、毎年出てくるわけではありません。
一方で2026年は、米沢だけでなく鈴木泰成、宮原廉ら大学生投手の層が厚い。
だから、
渡部海=次世代正捕手
織田翔希=将来のエース候補
米沢友翔=即戦力性の高い左の先発候補
というのが、今のトラ技師の整理です。
それでも、
米沢が阪神のドラ1になったらめちゃくちゃ嬉しい。
これは間違いありません。
まとめ|米沢友翔は「149km/h」だけでは測れない左腕
米沢友翔の魅力は、最速149km/hという数字だけを見ても分かりません。
2026年春は55回67奪三振、8四球、防御率1.31。
全国大会でも25回26奪三振、防御率0.72。
直球の質、制球力、複数の変化球。
そして全国大会でも同じ投球を再現した実績があります。
一方、秋は奪三振率が5.7まで低下しました。
だからこそ、
春の圧倒的な球質をプロで年間通して再現できるか。
ここが最大のチェックポイントでしょう。
トラ技師評価は、
阪神との相性:★★★★☆~★★★★★。
即戦力先発を優先するなら、1位指名でも納得できる投手。
ただ、1位を一人だけ選ぶなら今は渡部海。
それでも、甲子園で米沢が左腕から三振の山を築く姿を想像すると――。
やっぱり縦縞で見たい投手です。
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